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貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する [資産]

○自由に生きることは素晴らしい。
自由には責任が伴うものだ、国に責任を押し付けることは、国が個人への干渉を強めることにつながる。
政策や制度を批判する人たちのなかには、それを自覚していない人が多い。
雇用されている人を守り、若者に生活保護をうけさせることが、自由な社会といえるのか?

市場経済とは、お金という共通の尺度でモノとモノとを交換する仕組みのこと。
資本主義は「もっと豊かになりたい」という人間の欲望によってお金を自己増殖させるシステム。
この二つが合体した経済世界で私たちがお金を獲得する方法は、ひとつしかない。
○資本を市場に投資し、リスクをとってリターンを得ること。

働くことは人的資本を投資して、給料というリターンを得ることである。
だから高い教育を得た人ほど人的資本が大きいとされて、給料がいいわけだ。
そういう意味ではサラリーマンをしていても、私たちは企業家だといえる。
金融市場ではお金のリターンがすべてだが、人的資本の場合は、お金以外の基準(仕事がおもしろいとか)もある。
サラリーマンが決定的に他の企業家と違うのは、会計・税務・ファイナンスを会社に委託していることだ。
脱サラして成功する確率は3割といわれるけど、自分が会社に委託していた部分をうまくまわせないことも原因と思う。

○マイクロ法人は国家を利用して富を生み出す道具(ツール)だ。
マイクロ法人というのは、フリーエージェントを法人化したもの。
これを設立することで、会社という人格をもつことができる。
筆者は、日本の制度は、中小の自営に有利になっているので、その恩恵をうけるには法人という人格をもち。
個人と法人の間で利益を調整することで、節税しながら資本を蓄積できるという。

効率的な市場では超過利潤を得る機会は一瞬で消えてしまうが、制度の歪みから生まれる利益(黄金の羽根)は既得権として固定化される。

未来は不確実になり、明日なにが起こるか誰にもわからない。
生き残るには複数の選択肢が必要だ。
今、サラリーマンでもフリーエージェントやマイクロ法人という道をしっておくのは役に立つし。
ファイナンスの知識はすでに法人を持っている人に役に立つ。
マイクロ法人を作るとひとはビンボーになるが、それがお金持ちへの第一歩である。
雇われなければクビになることもない。
人は生き延びるためなら法の許す範囲でどんなことをしてもいい。

日本の制度は中小企業の経営者に有利にできている。良い悪いの批判ではなく、それを理解して利用して生き抜こう。
それが個人としての自衛策である。サラリーマンを続けるのももちろんよいが、有利不利を理解してファイナンスの知識をもつことはきっと役にたつ。



今の若者たちは会社に就職し正社員になって、安定したいという。
いままでの日本社会は、終身雇用と年功序列に守られて正社員は安定したいい仕事だったのは事実。(ただし社畜なんて呼ばれたが)
しかし、その楽園はすでに終わりを告げている。

筆者は満員の映画館にそれをたとえている。
入りたい人は長蛇の列だが、映画終身雇用という面白くない内容にもかかわらず、出ていく人はいない。
なぜなら、入るだけで既得権益に守られているからだ。
でも、この映画館は年々小さくなっているので、どうしても締め出される人がでてくる。
これまで映画館がなりたっていたのは、年々映画館が大きくなっていたからだ。

映画館に入れなくて並んでいるのは若者で、日本の企業では教育も社内で行うので、彼らは、教育をうけることもできない。
この世代間格差に気が付いた若者は閉塞感から戦争さえ望むと、赤木智弘の著作を引いて言う。
また、城 繁幸の著作から、日本の成果主義導入は終身雇用と年功序列を守るために若い世代の昇進と昇給をおさえるためのものといっていた。
このカラクリに気が付いた有能は若い世代は別の映画館にいってしまう(転職)
転職という選択ができるのは、30代の前半くらいまでで、それ以降は事実上道は閉ざされる。ここでも年功序列が邪魔をする。

若者を見殺しにする国 私を戦争に向かわせるものは何か


内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス)


映画館に残っている人たちも、縮んでいくのに、役職や賃金を上げようとするのは無理というものだ。
かといって、法律や労働組合があるので、簡単に解雇や減給はできない(既得権益)
派遣というのは、こんな状況で企業が雇用を調節する役にたち、給料は少ないものの若者に雇用を与えることができたのである。
派遣制度があるから格差ができるという指摘は本末転倒である。
世界的にみても年齢で人を差別するのは日本くらいである。グローバル資本主義では年齢を問われることはないが、年齢に応じた賃金が支払われるわけではない。同一労働同一労働である。

日本の税金はそれほど高くないが、保険と年金という社会保障がどんどん膨らんでいる。
これは制度の設計(経済が永遠に成長するという考え)じたいによるものなので、抜本的には解散して自己責任でやっていただくしかない。
それを延命させるために、今はとりやすいサラリーマンからどんどん搾り取っている。
会社に税金と社会保障費の納付を代行させる制度のために、サラリーマンは逃げられないからだ。
国民年金の未納をサラリーマンが払って制度が維持されている状況だという。
しかし皮肉なことに、計算してみると国民年金のほうが、払った以上に返ってくる可能性は高い。

アメリカではすでに楽園を追われたサラリーマンがフリーエージェントになり、マイクロ法人を設立する流れがあるという。
アメリカの流れが日本に来る可能性はある。
自由を選ぶのではなく、無理やり自由がドアをあけてやってくる可能性があるのである。

トーマス・フリードマン
グローバリゼーション1.0では国家がグローバル化して栄えるか最低でも生き残る方法を考える必要があった。
2.0では企業がそれを問われた
3.0では個人が問われることになるだろう。

サラリーマンはすでに楽園を追われ始めている。
無駄な公共事業を削減し、若者に教育と、セーフティネットを用意することも大事だが、
サラリーマンのなかでもクリエィティブクラスの人たちはフリーエージェントを目指すべきだし、ファイナンスの知識があればメリットもある。
派遣社員の大量発生はその予兆である。



ダイエーの筆頭株主で経営者だった中内功は、会社を息子に譲ろうとして果たせなかった。彼は会社を人をしてみていた。
ロス・ジョンソンは株式を持たない雇われ経営者だったのに会社を支配した。その方法は週末の有名人を招いてのパーティで社員たちを接待することだった。これは、本来株主のものである利益を自分たちで散財することだ。ジョンソンはその後会社を買収しようとして失敗して退陣した。ジョンソンはモノとして会社をみていた。

法人は人の性格とモノの性格をもつ。
取引相手には人であり、株主にはモノだ。
株式会社は法人に有限責任というものを与え、市場経済で資金調達を可能にした。これが資本主義という発明だ。
どんなに負債をもっても、会社を解散して資産をすべて分配すればそれ以上責任を追及されない。
これをどこまでも認めれば経済はなりたたないから、実際には経営者が連帯保証人になって無限責任をもったり、悪意のある法人の利用は法人格のとりけしと代表者への無限責任の要求ができるようになっている。
それでも取引の主体が個人から法人に移動することは有利だ。

日本の会社法の変遷と、現在の状態を解説。
かなりつぎはぎ的にやってきたかんじだが、現在はだれでも気軽に資本金なしで会社が設立できるようになっているという。
個人に無担保でカネを貸してくれるのは消費者金融くらいのものだが、法人なら中小企業の支援制度で無利息・無担保に近い条件で融資がうけられるのだ。法人を利用した節税は、この個人と法人の多重人格を利用したものだ。

法人はだれのものか?
株式会社なら株主のものだろうか?
でも、社員は株主を設けさせようとして働いているわけではない。
ジョンソンの例をみればわかるが株主が会社を支配しているのではない。

日本の会社の種類と設立法を解説。
この本の出版時点で、日本では、株式会社・有限会社・合同会社というほぼ内容が同じものが並立しているという。
一番安いのは合同会社で、設立経費もいらない。(どちらも資本金はいらない)
将来上場しようとか思っておらず、かっこ悪くても法人格がほしいだけなら合同会社で十分である。
日本の株式会社は株の持ち合いができるので資本金を増やすのは簡単だ。互いに相手に増資すれば紙の上での資本はいくらでも増やせる。
さらには、取引するとき法人なら、登記してある場所や資本金、従業員数などだ。社長がフリーターでネットカフェで寝泊まりしていても関係ない。
資本を持ち合い、会計操作で取引をでっちあげ、歩合制の契約社員を雇って社員とよべば(明確な社員の規定はないから)あっという間に、フリーターから大会社の社長になれる。(理論的には)
稼ぐ能力とはまったく別な話なので、そこは勘違いしないでほしいけど。

コラムで実際に筆者がマイクロ法人を設立したときの書類の書き方などを解説していた。
1商号(会社名)
2本店の所在地
3目的
4資本金
5株主
6発行可能株式総数
7事業年度
8決算の公告
9株主総会
10取締役
11株式の種類や譲渡制限
電子認証と行政書士
エンジェル税制(ベンチャー企業への出資が控除される制度)



エンロンの巨大粉飾決算の話から会計の解説。
エンロンはガス取引に金融工学を持ちこんで、私設の先物取引市場を創設。
そのモデルとあらゆる業種で展開しようとしたが、支払いを保証するのはエンロン自身の成長と株価しかなかったので、損失の計上がゆるされなかった。
そのため損失を架空の会社に飛ばす粉飾決算が盛んにおこなわれ、それが発覚したときすべてが破たんした。
エンロンの破たん後、こうした手法を手にした人たちがウォール街に再就職していった。
バフェットは「ディリバティブは金融の大量破壊兵器」といったが、その後リーマン・ブラザーズやAIGの破たんを招いたもの同じ手法だった。
この手法は成長が続き株価が上がり続ける限りは富を生み出すのだ。

会計の歴史。
古代メソポタミアのトークンを使った農産物の在庫管理からはじまって、
ルネサンスのイタリアで今も使われている複式簿記が生み出された。
近代会計はイギリス王室の税収と出費を管理するために14世紀始まり、17世紀には宿屋や鍛冶屋が複式簿記を使うようになっていたという。

会計は効用によって5つにわけられる。
1投資のための会計(財務会計)
 株主などの投資家に財務内容を開示するための会計規則。ウォーレン・バフェットが使っているヤツ。
2納税のための会計(税務会計)
3ビジネスのための会計(管理会計)
4夢を実現するための会計
 中小企業の経営者を対象とした、ビジネスの体質を改善し会社を再生させるなどをみざす。さらには「夢が破れたときの会計」も登場。銀行融資を継続させるための見栄えのよい財務諸表の作り方などが指南される。
5自由に生きるための軽軽
 フリーエージェントやマイクロ法人のための会計、4との違いは成長ではなく安定をめざすもの。マイクロ法人では会社の破たんはすなわち個人としての破たんと同じである。本書で解説する内容。

会計は損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CS)の3つの財務諸表で経済活動の実態を表す仕組み。
家計になぞらえて解説。
個人企業家(マイクロ法人を持つフリーエージェント)にとって会計上の理想状態とは
1マイクロ法人と個人(家計)で税務上の所得がない
2マイクロ法人もしくは個人で財務上の利益が計上できる。
こうして生じた財務上の利益は税務上の所得でないから無税で投資できる。その投資収益も会計上の工夫で非課税化できれば運用利回りが向上する。
自営業者または中小企業の経営者で金回りのいいひとは、税務上存在しないお金を自由に使えるように手元にもっている。
会計力をつかって合法的にビンボーになっているのだ。

3つの財務諸表の解説をしながら、ビンボーから金持ちが生まれる仕組みを解説。
PLの解説では会社の利益から個人に支払うわけなのだが、どちらも控除後に課税されなくなるように、利益を分配する。
BSでは難しかったが、課税はされないが残った可分所得を資産にかえていくってことらしい。
磯野家でマスオさんが会社に勤めながらマイクロ法人になった例をあげて具体的な解説をしていた。
法人を使った節税のキホンは
1法人で生活経費を損金とし、個人で給与所得を受けることで経費を二重に控除する。
 自宅で開業したら、家賃や光熱費の半分とか。自宅用のテレビなど。
2家族を役員や従業員にして、役員報酬や給与を法人の損金にしつつ給与所得控除を得る。
 家族に103万円以内で給料を払うと家族は個人としては課税されずに給与収入が得られる。この支出で法人のほうは赤字になる。
3自営業者へ中小企業向けに日本国が用意した優遇税制を活用する。
 さらには小規模企業共済や国民年金基金などを利用すると、そこに払ったお金を全額控除できる。(実質無税で投資できる)
このようにして、両方の税金をゼロにする。
こうすると手取りは300万近く増えるが、見かけ上の家計は楽にならない。だが非課税で貯蓄できる部分が330万増えている。ここがサラリーマン時代と違う。将来楽になる可能性があるのだ。

法人のもうひとつのメリットはあらゆる金融商品の損益を通算できること。
また税務上は資産を時価評価する必要がないので、年末に損のでているものだけを売却し、利益のあるものを保有することで合法的に節税できる。
法人の損失は7年間繰り越せるので、本の例ではマスオさんがボーナスで稼いだ年に投資損失を計上すると、損失の半分は国が補てんしてくれる計算になる。
含み益がでたときも、法人は最初から家族に給与を払って赤字にしてあるから、通算されて税金を払う必要がなくなる。
こうして合法的に節税しながらBSを育てていくことになる。
このような中小企業(同族会社)は自民党の支持基盤だったので、国税庁も手を出せない状態が続いていると解説していた。

税金を立法・行政・司法などの公共財の維持管理費といった応益原則で考えれば、経済的に合理的な税制は人頭税だけだ。
しかしほとんどの国は応能原則(各人の能力によって支払うこと)を採用している。これは国家に公共財の提供とは別に所得再配分の機能があるからとされている。これが胡散臭いのは所得の再配分機能が国家でなくてもできるから。
著者は本当の理由は応能原則では大多数の国民は払った以上にもらえるから、国家が肥大化するのに都合がいいからとしていた。

応益なら人権との適合は高いが、応能ではプライバシーは侵害される(所得を把握する必要があるから)
日本では会社が徴収を代行してこの問題を回避しているのだ。同時にこれで税制はなりたっているといえる。

納税のキホンは申告納税で、個人が税法を理解して正しく納税するのが理想だが、そんなことはできない。
というわけで、税務署が調べて間違ったら指摘して修正してもらうということをする。
そして、故意に間違えたらバツを与える(重加算税など)
しかし、ただの間違い(善意)と故意の間違い(悪意)をどう見分けるのか?
申告内容が説明可能なら納税者を善意とみなすといのが今の原則。
というわけでランボルギーニの社用車や、仕事の打ち合わせに家族同伴で海外旅行なんて成立するわけだ。
というわけで納税者は合理的には次のように行動する。
1説明できないことはしない
2説明できることはなんでも経費に申請
3税務調査で否認されたものだけをとりさげて修正申告する
白色申告はこの最たる姿で、所得が300万以下なら帳簿の作成が免除される。領収書もなしで経費申告できるのだ。
ただし、赤字は繰り越せないし、家族への給与も全額控除はできない。
弱者救済のためにつくられた制度だが、やろうと思えば所得1億円でも白色申告はできる。1億円の経費を申告してなにか理由をつくれば理論上無税である。ただし自己責任でやってください。

こういったことが横行したら税金をとることはできない。
というわけで税務署には質問検査権が与えられ、違反には刑事罰がある。
そして同族会社の場合には、税法に適合していても、著しく納税額が減る場合は税務署が再計算をできることになっている。
ただ、適用基準はあいまいで、常に使えるわけでない。

税務署員の成績は追加徴税した税額で評価される。
だとしたら、悪意の納税者をみつけても、面倒な裁判などにせず、修正申告に応じてもらった方が双方が合理的だ。
というわけで、間に税理士がたって、納税額を調整するようなことがおこなわれていたらしい。
しかし、裁判までやるとなると税務署も負担はおおきく、譲歩するようなことも行われる。
こうして、西原恵理子の「脱税できるかな」にでてくる税務署員の発言「いくらなら、払うつもりがありますか?」ということになる。

できるかなV3 (SPA! comics)


納税者が税務署の指摘にこたえていたのは税務署が怖いからだが、この構図も教育の崩壊のように失われつつあるようだ。
このままでは所得税や法人税の維持は難しいかもしれない。
欧米が消費税に移行するのは、こうした軋轢がないことも理由である。
そして、事実上マイクロ法人に税務調査はこないといわれている。だってがんばっても追加でとれる税金がたかがしれているからである。
もし、来てくれたら帳簿の付け方などを指導してもらえるボランティア的な意味になってしまうだろう。

コラム 法人税の申告方法
コラム 事業所得を使ったサラリーマンの節税。只野範男

「無税」入門―私の「無税人生」を完全公開しよう




フラワーチルドレンの代表マイケル・ミルトンのジャンクボンド債。  
信用力の低い会社の債権をパッケージ化してリスクを分散する手法を発明した彼は、頭のなかに投資先のすべての財務データをもっている驚異の人だった。LBOで資本にレバレッジをかけて企業を買収する手法の考案者でもある。
資金調達に苦しむ企業経営者からの相談に誠心誠意答えていた彼は、インサイダー取引の罪に問われ、実刑をうけ、彼のつくったジャンクボンド市場も同時に崩壊した。刑をうけたあとは証券業界への関与は禁止となり、出所後は幼児教育の会社を設立、かつて彼に資金調達を助けられた多くの有名企業かが出資した。

ファイナンスはバランスシート(BS)を最適化する財務戦略である。
事業とは資金を調達し運用する投資の一種で、BSでいえば右側の負債と純資産の部で調達したお金を左側の資産の部で増やすこと。
お金を増やす不思議な貯金箱である。100円いれるとある年には105円吐き出され、あるとしは90円や80円になる。
よい貯金箱の条件は
1より安いコストで資金を調達する
2より高い利回りで資金を運用する。
ブラック=ショールズ式がいっているのもこれだけである。
資金調達にはデッド(負債)とエクイティ(増資)がある。
エクイティはもうかったときだけお金を吐き出せばいいからコストが安いと考えられてきたが、実際にはリスクの分(リスク計算はCAPMとベータなどで説明していたが)コストになる。そしてそれは一般にデッドより高くなる。
税法上もデッドで支払った利子は損金にできるという差がある。

日本の株式市場でおこなわれている第三者割り当ては一種のインサイダー取引だといっていた。
本来増資は公募の時価発行が基本だからだ。
そんなことが行われるのは、そうでなければ誰も増資に応じてくれないから。
それでも資金が調達できないと第三者割り当てのMSCB(転換社債の一種)まで出回ることになるが、こんなことをしたら株が下がるのは必須でアメリカでは裁判沙汰だが、日本では見逃されている。
エクイティのコストは株価が下がって初めて健在化するからだ。

事業活動はすべて
「すべての透視は、資本コストを上回る利回りをもたらさなくてはならない」
に集約される。
企業が利益を株主に還元しないのは内部留保して来期に投資するためだが、日本では内部留保をとりくずして雇用を守れといわれている。
これは市場経済としてはおかしな話である。

バランスシートにレバレッジをかけると利回り(ROE)は向上するが、リスクが大きくなりバランスシートは不安定になり格付けは下がる。
しかしレバレッジ経営はいまや商業銀行までが普通におこなっている。

ミルケンの考えたLBOは会社を買うときに不動産と同じようにレバレッジをかけるという方法だ。
LBOの担保はハイリスクだからミルケンだけが、営業力でこの債権を売りさばいていた。
こうして彼がもっていた情報がインサイダー取引とみなされたのだ。

キャッシュフロー計算書(CS)について。
PLとBSだけでは住宅ローンを持っている人はうまくいかない。
PLに損金として計上されるのは支払利息だけだから。
経営でもPLで利益があるのに支払いが滞るという事態がおきることがある。
他にも買掛金や売掛金が齟齬の原因となる。
町の八百屋は現金で売り上げて、仕入れ代は月末に払うから、資金繰りに悩むことはないが、問屋は、先に農家に支払って、あとで代金をうけとるから運転資金がなければ倒産してしまう。
減価償却も大事で、社長が4年落ちのベンツを買うのは、減価償却の恩恵を最大にうけるためである。

資金繰りを管理するための計算書がCSで、直接CS(家計簿と同じ)と間接CS(PLやBSと整合性がとりやすい)がある。
ここでは直接CSで説明していた。
CSでは現金の流れを3つにわける
1営業キャッシュフロー
2投資キャッシュフロー
3財務キャッシュフロー
この3つを合わせたのがCSで原理的にマイナスにならない。
そして家計でも企業でもこの残高が高いほどいい。

現状をみるのにCSが一番いいといわれている。PLやBSと違って操作もしにくいから。
一番のポイントは営業キャッシュフローでマイナスなら経費が多いか過大な仕入れをしているかどちらかで早晩破綻してしまう。
フリーキャッシュフロー(FCF)とは営業キャッシュフローに投資キャッシュフローを加えた使える手元資金で、ファイナンスではPLより重視される。
企業の価値をキャッシュを生み出す能力だとすれば、フリーキャッシュフローから企業の価値が測れるこれがDCS法。
これは将来のキャッシュフローを一定の割合で割り引いて現在価値に戻し、一株の理論株価をもとめるもの。
将来の価値を現在の価値に直すのはファイナンスの重要な公理。
しかし、単純には使えない、株式は債権と違って償還時期が決まっていないなどの理由で、DCS法に条件を付ける。
会社は永遠に事業を行うとか、フリーキャッシュフローは長い間の平均では変わらない、資本コストを正しく計算できるなどである。

個人とマイクロ法人のキャッシュフローを連結する。
個人でマイホームを購入しつつ、法人で株式を売却したり、個人で住宅ローンを返済しながら、法人で融資をうけるなどを一元化する。
資金繰りを管理し、倒産や自己破産を防ぐには
1買掛金を多く、売掛金を多くする
2固定資産より流動資産を保有する
3資金調達する際には低利の資金を余裕をもって借りておく。

マイクロ法人を使うと恐ろしく低金利で資金を調達できる例として、著者が自治体の創業支援融資で1000万を実質金利0.8%で調達してそれを返済したこと。それが信用となって日本政策金融公庫から(かな?)実質金利0.37%で1000万円の運転資金を無担保有保証で借りた例をあげていた。
日本の公的融資制度は非常にゆがんでおり、公的融資をするひとたちは予算の消化をすればよく、保証協会が保険をだすので、回収を気にする必要がないという状態なのだという。彼らが気にするのは書類が整っているかだけである。
実質的な審査は保証協会がするわけで、銀行には信用調査能力がなくなってしまう。これではヒドイので保証協会の保証は8割に引き下げられた。
中小零細企業への支援は手厚いので、自治体の利子補給などを使って実質金利を0.37%までさげられたとのことだった。
こんな状態なので、資金繰りに苦しんでいる中小企業があったとしたら、保証協会の枠まで使い切った本当に回収不可能な会社なのだ。
予算を使い切るためにはBSのきれいな中小企業が一番貸すほうとしては都合がいい。
中小企業という弱者をすくういろんな対策は実際の弱者はほとんど救済しない。貸す方もBSの傷んだ会社には融資できないからだ。
しかし、BSのキレイな中小企業やマイクロ法人には、この制度は福音である。
そして、資金調達は余裕をもってやることだ。日本人はなるべく借金しないことを美徳と考えるクセがあるが、銀行は晴れた日に傘を貸し、雨の日に取り上げるといわれているように、雨になってからでは傘は借りれない。晴れた日にこそ、運転資金を用意しておく必要がある。

コラム 公的融資制度を利用してみよう

コラム 節税とファイナンス、節税のために法人を赤字にするとファイナンスに不利になる

コラム 担保と連帯保証人


国家に依存するな、国家を道具として使え。だそうです。

楽園をすてて、夢をおいかけて起業するならファイナンスの知識がなければいけない。とも。



貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する

貧乏はお金持ち──「雇われない生き方」で格差社会を逆転する

  • 作者: 橘 玲
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/06/04
  • メディア: 単行本




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公認会計士が教える年収の4割を貯蓄する方法 [資産]

著者は大学を出てからフリーターをしながら公認会計士の専門学校に通い、5年かけて資格をとった。
しかし、昔からあればあるだけ使ってしまうタイプで、しかも資格を取る直前に、合格しているかもと300万の買い物をしてしまい。年収200万で借金300万円での社会人スタートとなった。
運よく合格できたものの、これではいけないとお金を貯めるために年収の4割を貯蓄するという目標をたて、会計知識を活かして実践。1年半で借金を完済し、現在は貯めたお金で銀座に個人事務所を構えるまでになった。
その貯蓄方法を紹介。

貯蓄の基本はシュミレーション。
貯蓄できない理由ではなく、どうしたら貯蓄できるか考えよう。

会計監査でもしっかりした会社は目的をもって記録して、普段からきちんと整理していて、どこにどんな書類があるかわかる。
自分の行動もお金という観点からきちんと整理整頓して記録することがお金をためる大前提。
観点は3つ
1 過去 過去になににお金を使ってきたか記録して、自分自身を理解する
2 今 自分はいくらお金をもっているか。現実を直視するのが出発点
3 未来 これから自分のお金がどうなっていくのか理解していれば対策もたてやすい。
この3つのノートを作り、できるだけこまめに見返す。

お金をためるためには、自分の稼いだお金を大切に思う気持ちが不可欠。
お金の記録は自分のお金についての取扱説明書。
ノートは3冊にわけても1冊を3分割してもよい。著者は3冊用意してさらにエクセルも使っているそう。
お金を増やすには収入を増やす、支出を減らすの方法しかない、この方法はどちらにも偏らない。どちらにも利点と欠点があるから。
貯蓄とダイエットは似ている。攻め(運動)だけでも守り(食べる量を減らす)どちらかだけではだめ。


1過去ノート
いつ、どこで、何に お金を使ったか記録する。
記録のコツは「ゆるレコーディング」
きっちり一円単位で記録する必要はないし、毎日記録する必要もない。
できれば口座振替や宅配サービス、インターネット通販など、自動で記録がのこるものを利用して、まとめて記録する。
レシートや領収書は必ずもらい、メモを持ち歩いて自販機や食事代を割り勘したときなどの記録をする。
管理する支出は種類をしぼる。著者は現在費目別に10種類にしているが、以前はコンビニでの買い物が気になって、場所別につけたこともあるそう。ただし、一度決めたら比較のためしばらく変えない方がいい。

著者の生活費分類
食費、住居費、通信費、水道光熱費、保険料、交際費、
レジャー費、被服・美容・消耗品、教養日、税金・社会保険、その他

現金ページ 見開きの片側にあるだけの領収書をはって、左側に手元にあるはずの金額を書いておく。
収入ページ 給与明細などを貼っておく、他の収入も記録
支出ページ 分類別に見開きで領収書と内容を書く
各ページは左側のページを4分割して日付、内容、金額、残高(現金の場合)または合計(支出・収入の場合)をつける。
月末には月間まとめシートを作る。会計の損益計算書に近い。
収入・支出から合計だけを抜き出して一覧表をつくる。そして収支合計を計算。
これは、自分のお金の使い方に対する成績表。
さらには金額の変化や全体に占める割合をチェックすることで分析する。グラフ化も有効
分析ポイント
1 去年の同じ月と支出額を比べてみる
2 最低 ここ3か月の支出推移をみてみる
3 支出総額に占める各費目の割合をみてみる
生活費の分類に迷った時は「見た目」に惑わされずに「本質」を見極めて分類すること。
例食費
家で自炊するためにスーパーで買った野菜や肉などの食品→食費
コンビニでついで買いしたお菓子→食費
家族ででかけたレストランの食事代金→食費
友達とのショッピングにいったとのカフェ代金→交際費
つきあいでいった飲み会→交際費
旅行のときの食事代→レジャー費
正解はないけど「なんのための支出か」を考えて分類するとよい。

数字ではっきりとお金の動きを把握して赤字の原因をつきとめる。
お金を使いたくなったときの質問
「これにお金を使った分は、ちゃんとモトがとれる?」貯蓄のきほんは「よく考えて買うこと」だから。
欲しいものは絶対に必要?それがないと生きていけない? 5分でいいから考えてみて。



2 今ノート
どんな資産や負債をもっているか
自分が達成したい夢や目標をリストにして、実現可能な目標はそれを達成するまでの道筋を具体的な数字であらわした計画をたてる。現在の等身大の自分をかきつけておくノート

今ノート1
会計でいうと賃借対照表=お金周りの持ち物リスト。毎月作る日を固定。著者は給料日前日にしていた。
資産=現金や預金、株や投資信託、車、家など不動産、生命保険。今監禁したらいくらになるか(時価)で評価する。保険は解約したとき戻ってくるお金で評価。
負債=自動車ローン、住宅ローン、クレジットカードの支払など借金。
最初は大変だが、なれれば月に1度10分程度で作れる。
これで自分の資産が増えているのか減っているのか把握する。順調に資産が増えていればやる気がアップ!超過債務だったり、減っていても頑張らないとと思う。

今ノート2
予算表。予算とは未来のお金の使い方。
過去ノートと今ノート1の情報をベースに「これからはこんな風にお金を使う」「今後はここにはお金を使わない」という指針をきめる。作成は1年に一度。
予算をたてることで、目標が達成しやすくなり、予算までは使っていいという安心から思い切りお金が使える。いくらまでという制限が引き締め効果を生むというメリットがある。

予算をたてるための6ステップ
1 貯蓄の年間目標額を決める
2 今後1年間のイベントをリストアップする。
3 月々の収入金額を1年分予想する
4 月々の生活費を1年分予想する。ここで過去ノートを役立てよう。
5 1年間の特別費を予想する
6 3-5の予想を合算。
目標の貯蓄額を達成できるまであれこれいじってみよう。
まず達成したい目標をたてて、貯蓄金額をきめて、それを今ノート2に記録しておこう。
アツイ目標と数字で表現されたクールな予算のふたつのダブルパワーで頑張れる。

財布は毎月でていく生活費と年に数回でていく特別費に分けよう
特別費の例
毎年でかける海外旅行や国内旅行
壊れた電化製品の買い替えにかかるお金
引っ越すときの敷金や礼金、仲介手数料
過去ノートをつけるとある程度洗い出せる。

ただし、なんでもかんでも「特別費」にしないこと。
著者のルールは2万絵以上の出費か、年に1-2回しか発生しない出費に限定するというもの。

貯金は先にやりましょう。余ったお金を貯金する方法ではたまりません。
会社の財形貯蓄や積立定期を利用するのもよい。著者は自分で4割の額を計算して貯蓄用口座で定期にしていたそう。そして移動したお金はなかったものと考える。

収入を増やすために一番大切なのは自己投資。
読書は一番代表的な自己投資。ほんの少しでいいので、自分に投資しよう。

過去ノートに今ノートの予算を組み込んで予算別の残高を把握するとレベルアップ過去ノートになる。
特別費も専用のページを作って管理する。
特別費にするお金は貯金とは別に毎月準備しておくこと。
生活費は収入から、貯金と、特別費に回すお金を引いたものになる。

予算は最初はなかなか達成されないけど、3か月頑張ってみよう。
いろいろイレギュラーなことがあって予算どおりすすまないことの方が多いはず。
最初に予算をたてたときと前提条件が変わってしまったら予算を見直そう。
また、あまりに予算と現実がかけ離れたときも新しく予算を作る、そうしないとモチベーションが下がるから。


3 未来ノート
計画の進行状況をチェックする
今ノートで計画したお金の使い方と過去ノートに集計された実際のお金の使い方を比較してそのギャップの原因を分析。
それ以後の行動を微調整する。
大切なのは予算で計画したお金の使い方と現実のお金の使い方を比較すること。
差額の原因はつきとめなくてもかまわない。大事なのはどのくらいなら達成できるか感覚を持つこと。
今ノート2で立てた予算表と同じ形式(著者はキャッシュフロー表と呼ぶ)を使う。
最初にあらかじめ予算の金額が記入されているキャッシュフロー表を時間の経過にしたがって「現実の数字」に入れ替える。だから5分でできる。こうすることでこの先予算通り進めた時に最終目標が達成できるかが一目でわかる。
過去ノートと今ノートでも役に立つが、直近の結果にこだわりすぎるので、もう少し広い視点で先の未来をどおしていくのか見通すために未来ノートを使う。
将来の不安は未来ノートで解消しよう。著者も未来ノートのおかげで300万の借金の返済シュミレーションができて、借金を抱えながらも、好きなものを食べたり買ったりできて明るく前向きに貯金に取り組めたという。
未来ノートには未来を変えられる面白さがある。

予算が達成できないときチェックすること
1生活費の分析
固定費と変動費があるが
変動費はちょっと頑張れば達成できる金額を予算にする。頑張れなかったときはどこかいけなかったのか、頑張れたときはどこかよかったのか分析する。
ただし、ストレスがたまるほどにやってはいけないので、少し余裕を。
固定費をカットする方が効果は変動費より大きい。具体的には家賃の安い物件に越す。生命保険を見直す。週末しか乗らない車は売るなど。
2特別費の便石
買い物をするときはお金を使う前に、同じ目的を達成するのにどちらが得か分析する。エアコンならランニングコストと使用年数を加味してどちらが安いか計算してみるなど。
著者の未来ノートでは予算と現実を比較して差額の大きいところはコメントをつけている。過去ノートで分析し支出ごとに○必要△どちらかといえば必要×不要と3段間分類して分析。そして「こうやって目標を達成しよう!」という前向きな行動をセットにする。ただし生活に必要なものははずさないように注意。無理なく改善できる方法を考えよう。



投資に3つのノートを応用する方法。
著者は株と日経225先物、FXをやっているそう。投資は余裕資金で。
過去ノート 銘柄ごとに専用ページをつくり、購入した金額を記録。売った時にはマイナスする。
今ノート1 資産と負債を記入。資産は時価。
未来ノート 資産のシュミレーションで使う

給与明細の見方
1総支給額 年収
2社会保険料 支払った社会保険の金額
3所得税 支払った所得税
医療費控除の使い方、住宅ローン控除があることの説明。

クレジットカード
クレジットカードは借金。今ノート1なら負債になる。
ノートのつけ方は使った時点で費目分けして書いて、今ノート1にクレジットカードの未払い金として記録する。支払っていない代金がいくらあるのか、常に把握しておくこと。
支払いは一括払いにして、なるべく使わないほうがいい。

大切なのは「がんばりすぎないで続けること」
地道な努力が必要な節約法はストレスが溜まって一気に爆発してしまうから。
著者は3つのノートで自分のお金の使い方を反省しながら、これ!というものに集中してお金を使えるようになり、お金のコントロールができるようになった。

お金はすべてをかなえてくれる魔法ではないけれど、それを使っていろいろなことができる「エネルギー源」


公認会計士が教える年収の4割を貯蓄する方法

公認会計士が教える年収の4割を貯蓄する方法

  • 作者: 森安理恵
  • 出版社/メーカー: サンマーク出版
  • 発売日: 2010/07/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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ユーロが世界経済を消滅させる日~ヨーロッパ発!第2次グローバル恐慌から資産を守る方法 [資産]

著者は三菱総合研究所でロンドン駐在員所長を勤めた後、同志社大学の大学院教授になった人。

複雑怪奇では済まされない、EUやユーロの事情と、現在のギリシャ危機の解説。
ヨーロッパ発の金融危機があるかもしれないと警告。

著者にとってEUはつぎはぎロボット。
参加国が経済状態も、財政状態もバラバラなまま、政治主導で、まとまりあっているから。
EUのこれまでの道のりは「羊頭狗肉」、つまり理想は将来の統合におきながらも、実際にはそれぞれの国の自由度が高くなっていているのを容認する状態のまま、簡単に合意できるところのみを統合してきた。
逆に、そうでなければまとまらなかったともいえる。
現在はEUの大統領もいるが、お飾りであり、それぞれの国の財政政策にはEUは口出しできない。

EUの特徴は政治主導、計画先行、水平から垂直。

政治主導の内容は、
ニクソンショックなどから、アメリカの通貨ドルに影響をうけるのを少なくしたい、そのための経済圏
さらには冷戦終結による、東西ドイツ統合後に、東欧諸国にドイツだけが影響力を及ぼすのを防ぎたいという思惑。

計画先行は
将来は政治統合をめざしながらも、手をつけやすいところから着手したために、通貨は統一されているのに財政政策は各国ばらばらなままという状態。
このため、リーマンショックでは、アイスランドが預金保護を行ったので、EU内の預金がアイスランドに集中するという事態がおきた。
また、ユーロ導入時には、経済的に劣っている国でもユーロの信用で資金調達が容易になり、放漫財政がすすみギリシャ危機を誘発したりした。

水平から垂直は
EUはもともとは、西ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルグ、ベルギー、オランダが経済統合にむけて話し合ったのが発端。このころはこの6か国では経済状態は似たり寄ったりで、水平状態。
しかし、今は、EUの中でも明らかに経済規模や、財政の状態がばらばらな状態。
財政赤字の多い国や、所得水準の違う国が雑多に存在している状態。

今、EUの本部ブリュッセルでは、欧州議員や各国大使館が襲われるという事件もおこっている。
人やお金が自由に動けるようにしたため、東欧からの労働者が大都市に移動した。
しかし、リーマン以降、仕事が減ったので、排斥されている。
建前統合、本音ばらばらの各国は、自国製品を買おうキャンペーンなどを平気で繰り広げる。
つまり、いざとなったら自国利益優先で、EU優先ではないのである。

銀行も、ユーロ圏の中で競争にさらされ、利益優先な投資を行っているので、どこの国でどんな破たんがあったも、他の国の銀行が破たんするかもしれないというリスクが発生している。ドバイ危機ではイギリスの銀行が怪しいといわれていた。

本来アメリカの通貨の影響を受けないようにと作られたユーロだが、グローバル通貨であるがゆえに、かえって世界経済の荒波をもろにかぶっている。このようなときには、むしろ1国家、1通貨、1経済政策のほうが行動しやすい。
ユーロ建てて住宅ローンを組んだ、東欧諸国の準ユーロ参加国はユーロの為替変動で返済負担が増えて大変な事態になっている。

国の中でも、地方ごとに考えのちがうところもあり、ヨーロッパの複雑で多様な価値観をどのように統合していくのかも課題。

著者は、初期の政治統合の道をすててもいいのではないかといっていた。


ユーロが世界経済を消滅させる日~ヨーロッパ発!第2次グローバル恐慌から資産を守る方法

ユーロが世界経済を消滅させる日~ヨーロッパ発!第2次グローバル恐慌から資産を守る方法

  • 作者: 浜 矩子
  • 出版社/メーカー: フォレスト出版
  • 発売日: 2010/03/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



お金の現実 [資産]

お金の専門家というわれ、税理士でもある著者の、お金にまつわるあれこれを雑記風にまとめたもの。

「公営集団住宅に借家住まいさせたら、共産化するが、持ち家で住宅ローンを抱えれば、保守化するのもだ」田中角栄

今は国が、個人資産を株や投資信託に回そうと躍起になっている。

1お金というもの
岡本家では、税金をとる。毎月の小遣いはもちろん、お年玉やお手伝いをしてお金をもらったときもとる。
「よのなか」は税金がかかっているから、仕組みを理解させるためだそうだ。
「よのなか」は理不尽だから。
岡本家は外食しない。
娘が6年生のとき、すきなだけお金を使って、お母さんを旅行につれていく計画をたてさせた。費用は小遣いから天引きした税金と著者がだした。
ステレオタイプな幸せを追いかけると、余計なことにお金を使う。岡本家は辺鄙なところにあるので、土地代が異様に安い。
自分で設計からかかわったので、本業の収入が落ちた。それでもいい。
結婚式は2月にあげたので黒字だった。
車はお金がかかる。社長は儲かるとすぐに高い車にのるが、必要ない。そういっていて著者も高い車にのれなくなった。
買ったものが、最悪でも同価格で売れるものを選ぶのが、趣味のお金の使い方。
田舎は生活費が安く、野菜なども作ったり近所からもらったりするから収入は少ないが生活コストは安い。
家の修繕費は積立している。これを忘れている人は多い。
できるけど、やらないのが資本主義。お金で時間を買えるのはありがたい。
著者の会社は税金を考えてキャッシュフロー経営している。最初の3か月で税金分を稼ぎ切る。
世の中にうられているのは「商品」と「作品」がある、作品はお金に余裕があって、頭をつかわないと手に入らない。


2お金という夢をおいかけることに夢はない
多く稼いで、使わなければお金はたまるのに、なぜいつもマネー雑誌で特集くんでいるかわからない。
人は夢がすき(死にゆくそんざいだから)それななのに「多く稼いで使わない」は夢がなくてきらわれる。
でも麻薬のような夢はいけないのでは?
世の中には変えられるものと変えられないものがある。文句をいっているひとは変えられないものに文句をいって、なにもしない。立ち向かうことだけが大切なのではないが、クーラーを使っていながら電気を否定するような幼稚な理屈だ。
環境は大切だ。環境はうけいれるしかない。宇宙に空気がないのはけしからんといっても始まらない。
あるものはうけいれて対応するしかない。
ただし、なにもかもうけいれる必要はない、賢く対応(節税)する方法はある。
でも、あまり懲りすぎると本業の稼ぎがおろそかになる。
マネー雑誌などでとりあげるライフプランはステレオタイプで役にたたない。
普通の商品ならすごいわがままな消費者が理解不能な金融商品を買うのは著者には理解不能。
金融商品はロジカルなものなのに、エモーショナルに買う。
円が暴落するとか、狼少年てきな商売はずっとあった。これからもあるだろう。
人は1億円稼いだみたいなエモーショナルな話は好きでも、ポートフォリオ理論は嫌い。
ロジカルに考えれば、住宅ローンなんてはらっていられないかも。
お金はそこにあるだけなのに、お金を悪いモノ扱いする人は理解できない。
お金を否定した江戸時代の為政者はすべて失敗している。


3お金とはなんなのか
お金の定義をすっきりしてくれた経済学者はいない。
お金は信頼してもらって価値がでる。ヤップ島の「フェイ」の話。
ハイパーインフレ・・・お金からの逃走。
でも、奇跡のようになりたっているこの貨幣システムの世界で、すべての人が貨幣を貨幣として受け取ってくれない状況はくるのだろうか。どんなインフレでもみなお金を使い続けていた。
恐慌・・・貨幣の飢餓
デフレの進んだもので、お金が信用をなくし、みな物をもちたがるじょうたいだが、今の日本はデフレといわれているが、お金への信認はあつい気がする。
みながお金の流動性と保存性を信じているから、お金をためて、交換する。
たしかに人は隣の人をまねるもので、いったん信じないのスイッチがはいってしまえば、一斉にお金の価値がなくなるかもしれないが、富士山噴火の心配をするようなものだ。
交換するものがあれば、取引は成立することがわかていればいいのでは。


4夢はすてて、現実的に考える
著者のお金の考えに影響を与えた人。
安田善次郎・・・コツコツまじめにやる
本田静六・・・ダイエットと同じ蓄財法。一定をためて使わない。
なにもしない60歳以上の老人のほうが、起業したサラリーマンより金持ち使わないから。
井原西鶴の「長者丸」
長く働くのが金持ちになる鉄則。しかし、知的労働社会では、若くても労働寿命の短いものがでてくる。
本業にまい進するのも鉄則。儲かるかより熱心にとりくんだかで結局は労働寿命が延びる。
また、環境の変化が激しい。自分の技術にブラッシュアップをかけるのは、いまやすべての人に必須。
自分の頭で考えて、人と同じことをしないのが(住宅ローンで家を買うとか)大切。
たまったお金は去っていくものとして災難にあってもくよくよしない。
著者は次のステップに行く勢いをつけるところと解釈しているそうな。
自分の実力をお金に見合うようにしていく心構えで行く。


5この本での結論
実務家の夢
お金の神様の話。モネタの派生語は頭を使うとか勇気、狂気、警告、記憶、測定、循環などがある。
測定はおもしろい。お金の本質だと著者は思うそうな。
手元にはいるお金はあなたの実力、経験の測定だ。そしてそれは実力以上なことが多い。
宝くじは測定しないではいってくるから、不幸になるひとが多い。
他にも狂気、循環、警告などについてエピソードあり。
10年がんばらなければ、世界的水準にはなれない・・・ハーバート・A・サイモン
10年間モネタにいけにえを捧げるつもりで頑張る、そうすれば時給の上昇が来るかもしれない。
著者は10年単位でお金を循環させながら、次のステップを狙うそうである。
時間はお金にかわるが、お金は時間にかわる。
著者はお金の最大の効用はリスクに備えることだという。


お金の現実

お金の現実

  • 作者: 岡本 吏郎
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2005/04/15
  • メディア: 単行本



節約の王道 [資産]

リンボウの愛称で有名な作家で書誌学者の林望さんが実践している節約術

「見栄をはるためにお金は絶対に使わない」がポリシーなのだそうで、自分の軸をしっかりもって、目的を持った節約をせよといっていた。
また、井原西鶴の「金持ちになれる妙薬」をあげ「朝起き5両、家職20両、世詰め8両、始末10両、達者7両、この50両を細かにして、胸算用秤目の違いなきように、手合いを念をいれ、これを朝夕飲み込むからには長者にならざるということなし」の通り、朝はきちんと起きて(朝のお金は夜なべより低い)夜遅くまで家業に集中して一生懸命働き、節約をして健康に生きること(これは早起きより高い)がよいといっている。


家の食事は全部著者が作っているそうで、買い物は夫婦でいくそうな。献立で買い物はせず、野菜、肉、魚などの分類で栄養バランスよく買ってきて、冷蔵庫を満タンにする。そして使い切るまで絶対買い物に行かない。大根は皮まで使うそうである。
材料から組み立てることで、栄養バランスのとれた節約メニューができあがり、レシピを工夫するので楽しみも生まれるといっていた。
また分相応な生活の目安として「外食費は5日間食べ続けても懐が痛まない」額にすべきといっていた。

お金の管理
お金をおろすときは3万4千円。このくらいがちょうどいいそうな。万札はくずれるとあっというまになくなるのでなるべく崩さないのがコツ。
家計簿はストレスになるうえに節約につながらないのでやらないそう。
小銭はもたず、ポケットの小銭は家に帰るとためておき、1年で10万ほどたまるので旅行にいくそうな。
投資はしない。それくらいなら正業に精をだす。
クレジットカードは1種類を使い倒す。ただしネットが怖いので、それ用のカードは作ったそうな。
著者はマイレージでイギリスへいくそう。
友人の間でお金の貸し借りは絶対にしない。
保険料は惜しまない。掛け捨て保険なんて焼け石に水だと書いていた。著者自身は大きな病気をしたことがあるらしい。

交際費
冠婚葬祭費は反対。ご祝儀はお金でなく物(骨董品)で渡すそう。
プレゼントはあげない・もらわない。飲み会に行かない。
すごつ付き合いにくそうだが、約束を守る、迷惑をかけないなど普段から丁寧に人とつきあっていけばよいとしていた。

衣服と車
収入に合わない服や車ほどみっともないものはない。車は月収以下のものがふさわしい。新車より中古車。車両保険ははいらず、入ったつもりで保険料を積んでおく。壊したらそれを使うが、安全運転なので使ったことがないそうな。ちなみに著者はどこでも車でいくそうで、中古のベンツに乗っている。
服は3着まとめ買いできる値段が目安。

旅行・趣味
旅行は自分で楽天トラベルなんかで手配するそうである。車でいけて、インターネットが無料で使えるところとか、基準がはっきりしていて、一番やすいとこ。キャンセル無料のにしておいて、日付がせまったらもっと安いのがあればきっぱり乗り換える。
食事は高いので素泊まりに限っていて、旅館は大嫌いだが、それしかないときは、つくのが九時過ぎになるといって食事は断るそうな。
友人の家には泊まらない、泊めない。土産だなんだとわずらわしいし、案内なんかされるとお仕着せのガイドブックの店につれていかれてつまらないのだそうだ。
趣味は自分の小遣いの範囲で家族に迷惑かけずにやるもの。自分だけが楽しい趣味はやめるべき。
一番の節約は家族団らん。
本だけは買って読めと書いてあった。

教育
お金に余裕があるなら子供に投資するのが一番。でもお金で愛情を示しても子供には伝わらないどころか害になる。愛情はもうたくさんといわれるまで手間をかけてたっぷり与えること。
習い事は1点集中で金を惜しまない。
著者は子供たちに受験させたこともあるし、自身が先生でもあるが、小学校は公立で十分といっていた。
ブランド品は絶対に買わない。小遣いは少なくほしいものは親が買ってやることで子供はなぜほしいか親に説明して考えることができる。
学生時代はアルバイトはさせなかったそうである。親が買ってあげた自由な時間を、子供がもっと安く売るのは合理的でないからだそう。アルバイトするなら遊べといっていた。

住まい
自分の軸をもつ。建築家は住むことは考えてくれない。作品には住めない。
どんな家をたてたいのか、絶対にゆずれないことはなにか?譲歩していいのはなにか?
しっかり自分で把握していることは大事。
安全を考えると自分の足で登のが難しくなる6階以上のマンションにはすまない。
今のマンションなら和室は必要ない。
調度品は一度に買い揃えず、少しずつ骨董品を吟味してかっているそう。

節約と人生
節約が趣味の人生はむなしい。目的をもった節約をする。
特に若い人が「年金があてにならないから、老後のために」と貯金するのは心得違い。自分に投資してどんな世の中でも生き残れるようにならないと、お金だけあっても危険。
病気にならないことがなによりの節約。著者は病気をしてから低脂肪・高繊維の食事をこころがけているそうで、体重計でチェックしては、いきすぎると夕飯にそば1杯で戻すなどしてるそう。
ジムにいくより毎日道を歩いたほうがよい。たまにやる大量の運動より毎日の軽い運動。
加齢臭のおやじに香水つけないで、煙草と酒やめて、毎日歯を磨いて風呂にはいれと書いていた。
アンチエイジングや整形もしたい放題しといて、お金を払って若さを買おうとするような愚かな行為だといっていた。中高年のおしゃれは足し算ではなく引き算。
著者は酒も飲まない、煙草も吸わない(浪費以外の何物でもないといっていた)、毎日歩く、食事に気を付けている、嫌な仕事はしないでストレスをためないというローリスクな人生を送っているといっていた。
それでも死はいつ訪れるかわからない。でも自分はやるだけやったから、悄然と従えるといっていた。


節約の王道(日経プレミアシリーズ)

節約の王道(日経プレミアシリーズ)

  • 作者: 林 望
  • 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2009/10/09
  • メディア: 新書