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本のベストセラー

受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 [子育て]

著者は東京大学大学院薬学系研究科准教授(当時)で、脳の海馬の記憶が専門なんだそう。
脳科学でわかった脳の仕組みを利用した「高校生の勉強法」という本を10年前にだして、
今回は文庫化なのだが、10年の間に新たにわかったことなどもあるので、大幅な加筆訂正をおこない。
大学受験に限らず受験一般を対象にしたものになったのだそう。

10年前の内容が古くなるということは、この文庫の内容も古くなるということだが、科学というものはもともと仮説をたてて検証または反証して発展していくものであるから、この本は「脳科学者の池谷裕二が自分ならこう勉強すると提案した本ととらえてほしいとのこと。

脳を観察することで記憶の正体がわかりつつある。

記憶とは神経回路のダイナミクスをアルゴリズムとして、シナプスの重みの空間に、外界の時空情報を写し取ることによって内部表現が獲得されること。

要するに記憶とは新たな神経回路が形成されること。
記憶には短期記憶と長期記憶がり、短期記憶は海馬の仕事で、情報はすべて一旦ここに記憶される。
海馬にある情報が長期記憶になるには、
・繰り返し入力されること(復習)
・出力されること(書き出す、話す)
この二つが大切。

復習のタイミングは、忘却曲線と、海馬の記憶が最大1か月であることを考慮すると
・学習した翌日に1回目
・その1週間後に2回目
・2回目の復習から2週間後に3回目
・3回目の復習から1か月後に4回目
がよいという。

復習の内容は同じものがよい。記憶は干渉しあうので、参考書をあれこれ変えるとせっかくの復習の効果がなくなってしまうので、自分にあったものをやりこむのがよい。

海馬の神経細胞の特徴であるLPT(Long-term otentiation)は刺激を繰り返し与えると神経細胞同士のつながりが強くなる現象。
これが起こると学習能力が向上するといえる。

LPTを起こりやすくするのは
・シータ波のでているとき(好奇心がしげきされてわくわくしているとき、眠っているとき、動いているとき)
・扁桃体が活動しているとき(感情がともなっているとき)このときの記憶は思い出という特別なものになる。
・ストレスをためない。LPTはストレスに弱い。記憶はストレスで低下する。

「勉強がつまらないはずだ」という思い込みはシータ波をでなくするので、学習能力が落ちる。
とりあえず初めてみると次第にシータ波がでてくることがわかっている。
歩いたり、電車などで移動しているときもシータ波が出やすい。
空腹がよい、お腹がすいたときでるグレリンはLPTを増やすことがしられている。
温度がすこし低い方がいい。

学習したら眠るのがよい。処理しきれないほど海馬に詰め込んでも覚えられない。
覚えられるだけいれたら眠って定着させる、そのため眠る前は記憶のゴールデンゾーン。
ちなみになにもしないで横になっているだけでも、海馬では情報の再生が起こる。
無理に眠らなくてなよい。

海馬が一日にできる処理できる量がきまっているので、勉強は毎日コツコツやるほうが定着する。
実は一夜漬けの人と、コツコツやる人では1回目のテストの点数の差はあまりない。
しかし翌日もう一回テストすると有意な差が表れる。

海馬の性質を踏まえた効果的1日の勉強スケージュール
1食事の直前は勉強タイム
2就寝前は勉強タイム
3昼食後や夕食後は勉強しない。読書やゲームなど趣味にあてる
4午後の時間帯に眠くなるなら昼寝しよう
5昼寝の直前も勉強タイム

科目スケジュール
朝食前計算問題など
朝食後休憩して
午前中は数学・国語、物理・化学など論理力が必要なもの
昼寝前に記憶系
昼寝
おきたら休憩して
物理・化学や小論文
夕食後は休憩
夜9時から寝る前は記憶のゴールデンアワーなので、地理・歴史・英単語・生物など
睡眠時間は本人が思っているほどいらないことが多いので、一度短時間睡眠をためしてみることを進めていた。


脳の記憶の特徴は、ファジーであいまいで消去法(どんどん間違って正解を残す)であること。
これはおそらく、動物から進化する過程でうけついできたため。
コンピュータは一度覚えたことは正確無比に行うが、融通はきかない。
動物の脳は生きるために進化してきたので、このような性質になっている。
そのかわり、コンピュータと違って「やり方」を他のことに応用できる。
ソフトボールのうまい人は野球もうまいのようなことができる。

というわけで脳に学習させるコツは
まず大枠を与えること、そしてそれを細かいステップにわけて習得すること。
図形なら、まず丸と△の違いを抑えて、丸と楕円の違いにはいるようなこと。

また脳は消去法であることから
・失敗に負けない根気=失敗をくりかえさないと習得できない
・解決する能力=他のやり方をつかってみるやり方を考える。
・楽天的性格=失敗するにきまっているから、失敗するたびに落ち込んでいるとLPTが働かず効率が悪い
とうことがいえる。

脳はやり方を覚えるのは得意なので、まずは得意教科をもつこと。
そしてその学習法を他の教科に応用すること=学習の転移


記憶には3種類ある
経験記憶・・・自分の過去の経験が絡んだ記憶。自由に思い出せる記憶
知識記憶・・・漢字の読み方や年号英単語など、きっかけが十分にないと思い出せない記憶
方法記憶・・・自転車の乗り方などからで覚えるもの、なにかを理解する方法。習得も使用も無意識に行われる。そして忘れにくい。

記憶の構造はピラミッド型になっていて、上から経験記憶、知識記憶、方法記憶となっている。上に行くほど高度で発展したものになる。
年齢的にもあてはなるので、幼児は方法記憶しか駆使できないので、小さいころの記憶はない。経験記憶できていないから。中学生くらいまでは知識記憶が強く、意味のない文字の羅列や音(キャラクターの名前)を記憶できる年齢。それより上だと経験記憶優勢になる。
だから、勉強方法も年齢で変える必要がある。ただ繰り返して暗記できるのは知識記憶優勢な年代まで。

というわけで経験記憶にして覚えるのがよい。
・想像力でいろんなものと関連づけて覚える。語呂合わせなどもよい。
・覚えたことを人に話す。声にだす。手を動かす(漢字思い出しテストで手をしばると点数がさがる)

経験記憶の欠点は次第に知識記憶に置き換えられること。放っておくと経験がそぎ落とされてしまう。
だから復習して経験記憶として維持できるように努力することが大切。

そしてもっと大切なのは天才をつくるという方法記憶。
数学が良くできる人は試験中にヒラメクというが、これは多くの問題を解き悩んできたことにより、設問パターンが補類型化され方法記憶になっているからといえる。

方法記憶はふくらむ記憶で応用範囲が広い。そして忘れにくい。
知識記憶を増やすのではなく、方法記憶を鍛えたほうが効率よく本当の学力がみにつく。

方法記憶の例として、著者が九九を覚えていなかった例(勉強がきらいだったので覚えなかった)をあげ、
どうやって計算しているか説明していた。
使うのは、10倍する、倍にする(2をかける)、半分にする(2でわる)

6×8=6×(10-2)=60-12=48
または
6×8=(5+1)×8=(10÷2+1)×8=10×8÷2+1×8=10×4+8=40+8=48

一見面倒に思えるが
23×16にも応用できる
23×16=23×(10+6)=23×(10+10÷2+1)=230+115+23=368

これなら九九を使う人よりも早いかも。

公式(知識記憶)を丸暗記するよりも公式の導き方(方法記憶)を覚えたほうが公式を応用する能力が身につく。数学にかぎらず、多くの現象が根底でつながっていること、知識の背景を理解すること。これらに徐々に勉強の比重を移すことを提案していた。

さらに、知識をふやしていくと知識同士の結びつきが増えてその効果は等比級数的に増えていく。=べき乗の効果。
このことから勉強量と成績の関係は単純な比例関係ではなく、むしろ幾何級数的な急カーブをかいて上昇する。
最初はなかなか効果が表れないが、ある日霧がはれるように効果があらわれる。それには最低3か月はかかる。
勉強は長期計画で、止まらずに続けよう。



受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)

受験脳の作り方―脳科学で考える効率的学習法 (新潮文庫)

  • 作者: 池谷 裕二
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/11/28
  • メディア: 文庫



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